平成27(2015)年、九州の地に文化財を中心とした美術工芸品(絵画、書跡・典籍、古文書、歴史資料等)を修理する専門会社として修理工房 宰匠株式会社を設立いたしました。九州国立博物館が開館して10年目の節目にあたる年に、国宝修理装潢師 連盟(国の選定保存技術保存団体)の加盟工房としてこの地に創業いたしましたことに、強い責任感を感じながら、社員一丸となって日々お預かりした文化財の修理を行っております。
私どもは、第一に、文化財に真摯に向き合い、所有者様はじめ関係各所の信頼を得ることに努めます。
また、伝統的な絵画・書跡の装潢技術に謙虚に向き合い継承しながらも、伝統技術のみに甘んじることなく最新の科学的成果も踏まえた技術の開発に邁進し、九州の地にて保存修理技術者を育てていくことを目指します。
さらに、とりわけ九州周辺地域に特徴的に伝世する大量の歴史資料群や、近年修理時期を迎えつつある近代資料などといった、多様化する文化財の修理技術に対して先駆的に取り組んで参ります。
以上を果たしていく中で、地域に根ざした活動を深め、九州のみならずアジアにも向けた文化力の発信・発展に寄与して参る所存です。
所属する技術者の多くは弊社設立以前より、長年九州の地にて国宝・重要文化財を中心とした文化財の修理を行ってきた者たちです。一方で地元人材の採用を通じ新たな技術者の育成にも注力しております。これらの技術者が一つのチームとして力を発揮すべく、内においては技術者同士が緊張感をもって切磋琢磨できる社内環境をつくり、外に向けては文化財修理を通じた地域文化への還元を果たすべく、努力を積み重ねて参ります。